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ExcelのSUMIF関数で0になる原因と解決法を徹底解説!

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ExcelのSUMIF関数を使って条件付きの合計を計算しようとしたのに、結果が0になってしまう経験はありませんか?

条件に合致するデータが確実にあるはずなのに、なぜか合計されない…このトラブルは、SUMIF関数を使い始めた多くの方が直面する問題です。

実は、SUMIF関数が0を返す原因は、検索条件の指定ミス、範囲のズレ、データ型の不一致など、複数のパターンが存在します。

通常のSUM関数とは異なり、SUMIF関数は条件を指定する分、エラーの原因も複雑になりがちでしょう。

本記事では、SUMIF関数が0になる原因を具体例とともに詳しく解説し、それぞれの状況に応じた確実な解決法をお伝えします。

初心者の方でもすぐに実践できる方法ばかりなので、ぜひ参考にしてください。

SUMIF関数が0になる主な原因

それではまず、SUMIF関数が0を返してしまう主な原因について解説していきます。

検索条件の指定ミス

SUMIF関数が0になる最も多い原因が、検索条件の指定ミスです。

SUMIF関数は「=SUMIF(範囲, 条件, 合計範囲)」という形式で記述しますが、この「条件」部分の指定が正確でないと、該当するデータが見つからず結果が0になります。

例えば、条件に「りんご」と指定したつもりが、実際のデータには「リンゴ」(カタカナ)や「りんご 」(末尾にスペース)が入っているケースがあるでしょう。

また、数値の比較条件で「>=100」と書くべきところを「=>100」と書いてしまうなど、演算子の順序を間違えることもよくあるミスです。

条件指定は大文字・小文字を区別しませんが、全角・半角の違いや余分なスペースには敏感に反応します。

検索条件が一文字でも違えば、Excelは別のものとして認識してしまうのです。

ポイント: 検索条件は、データと完全に一致している必要があります。スペースや全角・半角にも注意しましょう。

範囲と合計範囲のサイズ不一致

SUMIF関数では、検索範囲と合計範囲のサイズが一致していないと、正しく計算されないことがあります。

例えば、「=SUMIF(A1:A10, “東京”, B1:B5)」のように、検索範囲が10行なのに合計範囲が5行しかない場合、意図しない結果になるでしょう。

Excelは検索範囲の最初のセルを基準に合計範囲を解釈するため、範囲のサイズが異なると、ズレた位置のデータを合計してしまいます。

特に、元のデータに行を追加・削除した後に、範囲指定の更新を忘れると、このようなサイズ不一致が発生しやすくなります。

また、検索範囲が複数列にまたがっている場合も、合計範囲の列数を合わせる必要があります。

範囲指定は慎重に行い、定期的に見直すことが大切でしょう。

ポイント: 検索範囲と合計範囲は、行数・列数ともに一致させる必要があります。

データ型の不一致(文字列と数値)

データ型の不一致も、SUMIF関数が0になる重要な原因です。

検索条件が数値なのに、実際のデータが文字列として保存されている場合、条件に一致しないと判断されます。

例えば、条件に「100」(数値)と指定しても、データが「’100」(文字列)だと、Excelは別のものとして扱うのです。

逆のパターンもあり、条件を「”100″」(文字列)と指定したのに、データが数値の100だった場合も一致しません。

見た目は同じ「100」でも、内部的には数値と文字列で異なるデータとして認識されているのが原因でしょう。

この問題は、他のシステムからインポートしたデータや、CSV形式で保存したファイルを開いた時によく発生します。

データ型を統一することが、この問題の根本的な解決策です。

ポイント: 検索条件とデータのデータ型(数値か文字列か)を一致させることが重要です。

検索条件に関する問題と解決法

続いては、検索条件の指定に関する具体的な問題と解決法を確認していきます。

条件に余分なスペースが含まれている

検索条件やデータに余分なスペースが含まれていると、一致しないと判断されます。

例えば、条件が「東京」で、データが「東京 」(末尾にスペース)だった場合、Excelは別のものとして認識するでしょう。

この問題を解決するには、TRIM関数を使ってスペースを削除する方法があります。

=SUMIF(A:A, TRIM(“東京”), B:B)

ただし、この方法は条件側のスペースしか削除できません。

データ側にスペースが含まれている場合は、事前にTRIM関数で整形しておく必要があります。

別の列に「=TRIM(A1)」という数式を作成し、スペースを削除したデータを準備してから、そのデータに対してSUMIF関数を使うのが確実でしょう。

または、データ全体を選択して「検索と置換」機能(Ctrl+H)を使い、スペースを一括削除する方法も効果的です。

ポイント: データと条件の両方からスペースを削除することで、確実に一致させることができます。

ワイルドカード(* や ?)の使い方が間違っている

SUMIF関数では、ワイルドカードを使って部分一致の検索ができます。

「*」は任意の文字列、「?」は任意の1文字を表しますが、使い方を間違えると正しく機能しません。

例えば、「東京」を含むすべてのデータを合計したい場合は、以下のように記述します。

=SUMIF(A:A, “*東京*”, B:B)

前後に「*」を付けることで、「東京都」「北東京」「東京支店」などすべてにマッチするでしょう。

「東京*」とすると「東京」で始まるデータのみ、「*東京」とすると「東京」で終わるデータのみが対象になります。

また、ワイルドカードを使う場合は、条件をダブルクォーテーション(“”)で囲む必要があります。

セル参照と組み合わせる場合は、「”*”&D1&”*”」のように文字列を連結する書き方になるでしょう。

ポイント: ワイルドカードは「*」が任意の文字列、「?」が任意の1文字を表し、ダブルクォーテーションで囲みます。

比較演算子の記述ミス

数値の条件を指定する際に、比較演算子の記述ミスが原因で0になることがあります。

「>=」「<=」の正しい書き方

「以上」や「以下」を表す比較演算子は、「>=」「<=」の順序で記述します。

「=>」や「=<」と書いてしまうと、Excelは認識できず、結果が0になるでしょう。 正しい記述例は以下の通りです。

=SUMIF(A:A, “>=100”, B:B) ← 正しい
=SUMIF(A:A, “=>100”, B:B) ← 間違い

「>」(より大きい)、「<」(より小さい)、「<>」(等しくない)なども同様に、正確な記号を使う必要があります。

比較演算子を使う場合は、全体をダブルクォーテーション(“”)で囲むことも忘れないようにしましょう。

セル参照を使った条件指定

条件を別のセルから参照する場合は、記述方法が少し異なります。

例えば、D1セルに「100」という数値があり、それ以上の値を合計したい場合は以下のように書きます。

=SUMIF(A:A, “>=”&D1, B:B)

比較演算子をダブルクォーテーションで囲み、&(アンパサンド)でセル参照と連結するのがポイントです。

「>=D1」のように書いても機能しないため、必ず「”>=”&D1」という形式にする必要があります。

この書き方を覚えておくと、条件を柔軟に変更できるため便利でしょう。

ポイント: 比較演算子は「>=」「<=」の順序で、セル参照と組み合わせる場合は「">=”&セル」と記述します。

大文字・小文字の違い

SUMIF関数は、アルファベットの大文字と小文字を区別しません

例えば、条件が「Apple」でも、データが「apple」「APPLE」「ApPlE」のどれでも一致すると判断されます。

これは便利な仕様ですが、大文字・小文字を厳密に区別したい場合は、SUMIF関数では対応できません。

その場合は、SUMPRODUCT関数とEXACT関数を組み合わせる必要があるでしょう。

=SUMPRODUCT((EXACT(A:A,”Apple”))*(B:B))

EXACT関数は大文字・小文字を区別して比較するため、完全一致する場合のみ合計されます。

通常の用途では大文字・小文字の区別は不要なことが多いため、まずはSUMIF関数で十分でしょう。

ポイント: SUMIF関数は大文字・小文字を区別しませんが、厳密に区別したい場合はSUMPRODUCTとEXACTを使います。

範囲指定に関する問題と解決法

続いては、範囲指定に関する問題とその解決法を確認していきます。

検索範囲と合計範囲のズレ

検索範囲と合計範囲の開始位置がズレていると、意図しない結果になります。

例えば、以下のような指定は問題を引き起こすでしょう。

=SUMIF(A2:A10, “東京”, B1:B9) ← 範囲がズレている
=SUMIF(A2:A10, “東京”, B2:B10) ← 正しい

検索範囲がA2から始まっているのに、合計範囲がB1から始まっていると、1行ずれた位置のデータが合計されてしまいます。

SUMIF関数は、検索範囲の最初のセル(この例ではA2)に対応する位置から合計範囲を読み取るため、両方の範囲の開始行を揃える必要があります。

行数が同じでも、開始位置が異なれば正しく動作しないため、注意が必要でしょう。

範囲を指定する際は、検索範囲と合計範囲の両方を選択して、開始セルと終了セルが対応しているか確認することをお勧めします。

ポイント: 検索範囲と合計範囲は、開始行・終了行を完全に一致させる必要があります。

範囲に空白行が含まれている

範囲指定に空白行が含まれていること自体は問題ありませんが、データの配置によっては意図しない結果になることがあります。

例えば、A列に検索用のデータ、B列に合計対象のデータがある場合、途中に空白行があっても、対応する行さえ合っていればSUMIF関数は正常に動作するでしょう。

ただし、検索範囲と合計範囲で空白行の位置が異なる場合は、ズレが生じます。

また、範囲の指定方法によっても結果が変わります。

「A:A」のように列全体を指定すると、空白行も含めた全範囲が対象になりますが、「A1:A100」のように具体的な範囲を指定すると、その範囲内のみが対象です。

データの構造を把握し、適切な範囲指定を行うことが大切でしょう。

ポイント: 空白行があっても、検索範囲と合計範囲の対応関係が保たれていれば問題ありません。

絶対参照と相対参照の使い分け

SUMIF関数を複数のセルにコピーする際、絶対参照($)を使わないと、範囲がずれてしまいます。

例えば、以下のような数式をD2セルに入力してD3以降にコピーする場合を考えましょう。

=SUMIF(A:A, C2, B:B) ← 相対参照
=SUMIF($A:$A, C2, $B:$B) ← 絶対参照

最初の例では、範囲を列全体で指定しているため問題ありませんが、「A2:A10」のように範囲を限定している場合、コピーすると「A3:A11」「A4:A12」とずれていきます。

範囲を固定したい場合は、「$A$2:$A$10」のように$を付けて絶対参照にする必要があるでしょう。

一方、条件セルのC2は、コピーする際にC3、C4と変わってほしいため、相対参照($なし)のままにします。

このように、固定したい部分には$を付け、変化させたい部分には$を付けないという使い分けが重要です。

ポイント: 数式をコピーする場合は、範囲に絶対参照($)を使って固定しましょう。

データ型に関する問題と解決法

続いては、データ型の違いによる問題とその解決法を確認していきます。

数値が文字列として保存されている

検索条件が数値なのに、データが文字列として保存されていると、SUMIFは一致しないと判断します。

この問題を見分けるには、セルの左上に緑色の三角マークが表示されているか、数値が左揃えになっているかを確認しましょう。

解決方法はいくつかあります。

まず、検索条件を文字列として指定する方法です。

=SUMIF(A:A, “100”, B:B) ← 条件を文字列にする

これで、データが文字列の「100」でも一致するようになるでしょう。

あるいは、データ自体を数値に変換する方法もあります。

前回の記事で紹介した「1を掛ける」方法や「区切り位置」機能を使えば、文字列を数値に一括変換できます。

どちらの方法を選ぶかは、データ全体の状況や今後の使い方によって判断すると良いでしょう。

ポイント: 条件を文字列にするか、データを数値に変換することで解決できます。

日付データの扱い方

日付を条件に使う場合も、データ型の違いに注意が必要です。

Excelでは日付を内部的に数値(シリアル値)として扱っているため、見た目が日付でも実態は数値なのです。

日付を条件に指定する場合は、以下のような方法があります。

=SUMIF(A:A, “>=2024/1/1”, B:B) ← 日付を文字列で指定
=SUMIF(A:A, “>=”&DATE(2024,1,1), B:B) ← DATE関数を使用
=SUMIF(A:A, “>=”&D1, B:B) ← セル参照(D1に日付が入っている)

日付を文字列で指定する場合は、「年/月/日」の形式で記述します。

DATE関数を使う方法は、年月日を明確に指定できるため、確実性が高いでしょう。

セルに日付を入力しておいて参照する方法は、条件を簡単に変更できるため便利です。

ポイント: 日付条件は「”>=2024/1/1″」のように文字列で指定するか、DATE関数やセル参照を使います。

全角・半角の混在

数字や記号が全角と半角で混在していると、SUMIF関数は一致しないと判断します。

例えば、条件が半角の「100」で、データが全角の「100」だった場合、見た目は同じでも別のものとして扱われるでしょう。

この問題を解決するには、JIS関数やASC関数を使ってデータを統一する方法があります。

=JIS(A1) ← 半角を全角に変換
=ASC(A1) ← 全角を半角に変換

一般的には、すべて半角に統一するのがお勧めです。

別の列にASC関数で半角に変換したデータを作成し、そのデータに対してSUMIF関数を使うと確実でしょう。

あるいは、「検索と置換」機能を使って、全角数字を半角数字に一括置換する方法も効果的です。

データ入力の段階で全角・半角を統一しておくことが、トラブル防止の基本といえます。

ポイント: ASC関数で全角を半角に統一するか、入力時から半角に統一することが重要です。

まとめ

ExcelのSUMIF関数が0になる原因は、主に検索条件の指定ミス、範囲のズレ、データ型の不一致の3つです。

検索条件では、余分なスペース、ワイルドカードの誤用、比較演算子の記述ミス(「=>」ではなく「>=」)に注意する必要があります。

範囲指定では、検索範囲と合計範囲の開始位置と終了位置を完全に一致させ、数式をコピーする場合は絶対参照($)を使って範囲を固定することが重要でしょう。

データ型の問題では、数値が文字列として保存されている場合は、条件を文字列にするか、データを数値に変換する必要があります。

日付を扱う場合は「”>=2024/1/1″」のように文字列で指定するか、DATE関数やセル参照を使うのが確実です。

全角・半角の混在も見落としやすい原因で、ASC関数を使って半角に統一することで解決できます。

まずは検索条件とデータが完全に一致しているかを確認し、範囲指定のズレがないかチェックすることが、トラブル解決の第一歩です。

これらのポイントを押さえておけば、SUMIF関数が0になるトラブルのほとんどは解決できるでしょう。

日頃からデータの入力形式を統一し、数式を作成する際は範囲を慎重に確認する習慣をつけることで、エラーを未然に防ぐことができます。