英語のtryは「試す」という身近な単語ですが、ビジネスでは場面に合わせて表現を選ぶことが大切です。単にtryを使うだけでは、努力の度合い、検証の目的、正式な依頼かどうかが相手に伝わりにくい場合もあります。
たとえば、新しい方法を試すのか、問題解決に挑戦するのか、相手に作業を依頼するのかによって、適した英語は変わります。tryの言い換えは、仕事の内容と相手との関係性を踏まえて選ぶことが基本です。
この記事では、tryの代表的な類義語、丁寧な依頼表現、メールや会議で使える例文を整理します。日本語の「試す」「やってみる」「取り組む」を自然なビジネス英語へ置き換えるための考え方も確認していきましょう。
Tryの言い換え一覧表とシーン別の使い分け

それではまず、tryの言い換え一覧表とシーン別の使い分けについて解説していきます。
tryは便利な反面、意味の幅が広い単語です。業務では「試行」「検証」「挑戦」「依頼」など、どの意味で使うのかを明確にすると、相手に意図が伝わりやすくなります。
| 表現 | 主な意味 | 適した場面 | 丁寧さ | 例文 |
|---|---|---|---|---|
| attempt | 難しいことを試みる | 課題解決、改善活動 | 標準 | We will attempt to resolve the issue. |
| endeavor | 努力して成し遂げようとする | 正式文書、方針説明 | 高い | We will endeavor to meet your request. |
| test | 性能や効果を試験する | 製品、機能、施策の検証 | 標準 | We will test the new feature. |
| experiment with | 試験的に試す | 新しい手法、仮説検証 | 標準 | We are experimenting with a new process. |
| explore | 可能性を探る | 企画、選択肢の検討 | やや高い | We would like to explore other options. |
| pursue | 目標や機会を追求する | 事業、採用、交渉 | 標準 | We plan to pursue this opportunity. |
| work on | 課題に取り組む | 日常的な進捗共有 | 標準 | Our team is working on the matter. |
| give it a try | 試しにやってみる | 社内のカジュアルな会話 | 低い | Let us give it a try. |
課題解決で使うattemptとwork on
障害対応や改善活動で「試してみます」と伝えるなら、attemptやwork onが候補になります。attemptは成功が簡単ではない課題に対し、解決を試みるニュアンスを持つ表現です。
一方でwork onは、継続して対応している状況を自然に表せます。進捗報告では、結果がまだ出ていない段階ならwork on、具体的な行動を起こす場面ならattemptという使い分けが分かりやすいでしょう。
We will attempt to identify the root cause.
根本原因の特定を試みます。
Our engineers are working on a solution.
当社のエンジニアが解決策に取り組んでいます。
attemptは名詞としても使えます。an attempt to improve efficiencyのように書けば、効率改善の試みという意味になります。報告書や提案資料では、動詞だけでなく名詞表現も役立ちます。
検証で使うtestとexperiment with
新しいツール、機能、販促方法などの有効性を確認するときはtestが基本です。testには、一定の条件で性能や結果を確認するという明確な目的があります。
experiment withは、まだ最適な方法が定まっていない段階で複数の案を試す場合に向いています。厳密な試験よりも、探索的な試行の印象が強い表現です。
| 状況 | おすすめの表現 | 伝わるニュアンス |
|---|---|---|
| 新機能の動作確認 | test | 性能や結果を確認する |
| 広告文の比較 | test | 効果を測定する |
| 働き方の試行 | experiment with | 新しい方法を模索する |
| 企画案の可能性調査 | explore | 選択肢を幅広く検討する |
testは検証の再現性、experiment withは発見や学習の過程に焦点があると理解すると、使い分けやすくなります。
目標達成で使うendeavorとpursue
取引先への回答、会社の方針、品質に関する約束などではendeavorが適しています。努力を惜しまず対応する意志を丁寧に示せるため、フォーマルな文章と相性のよい単語です。
ただし、endeavorは日常会話では少し硬く聞こえることがあります。社内チャットであれば、work hard toやdo our best toのほうが自然な場合もあるでしょう。
We will endeavor to provide the requested information promptly.
ご依頼いただいた情報を速やかにご提供できるよう努めます。
確約できない事項に対しても、誠実に取り組む姿勢を伝えられる表現です。
pursueは事業機会、目標、協力関係などを追求する際に使います。短期的に一度試すというより、一定期間をかけて前向きに進める印象があります。
丁寧な依頼表現とTryの置き換え
続いては、丁寧な依頼表現とtryの置き換えを確認していきます。
相手に「試してください」と伝えたいとき、Try it.だけでは命令のように聞こえることがあります。顧客、上司、社外の担当者に依頼する場合は、依頼のクッション表現を加えることが欠かせません。
Could youとWould youを使う依頼
Could you try restarting the system.は、システムを再起動していただけますかという丁寧な依頼です。couldは可能かどうかを尋ねる形ですが、実務では柔らかな依頼として広く使われています。
Would you be able toは、相手の都合や対応可能性に配慮する言い方です。期限がある依頼や、相手の負担が比較的大きい作業に向いています。
Could you try opening the file again?
もう一度ファイルを開いていただけますか。
Would you be able to test the updated link?
更新したリンクをご確認いただくことは可能でしょうか。
依頼文ではtryそのものより、Could youやWould you be able toによって丁寧さが決まると考えるとよいでしょう。文末にpleaseを添える方法もありますが、文章全体が丁寧であれば必須ではありません。
可能であればを添える表現
相手の判断を尊重したい場面では、if possibleやwhen convenientを使えます。急ぎではない依頼、協力をお願いする連絡、回答の催促を避けたいメールで有効です。
Could you try the following steps if possible.とすれば、可能であれば以下の手順をお試しくださいという意味になります。手順を案内するメールでは、相手が実行しやすいように短い箇条書きを添えると親切です。
When convenient, could you please review the attached document?
ご都合のよい際に、添付資料をご確認いただけますでしょうか。
相手の時間を一方的に求めない姿勢が、丁寧な印象につながります。
ただし、締切が厳格な案件でwhen convenientを使うと、緊急度が伝わりにくくなります。その場合は、期限を明示しつつ、丁寧な依頼表現を選ぶことが大切です。
提案として伝える表現
相手に方法を提案するなら、You may want toやIt may be helpful toを使うと自然です。Try restarting your browser.よりも、You may want to restart your browser.のほうが押しつけがましさを抑えられます。
顧客サポートでは、相手がすでに対応済みである可能性にも配慮しましょう。Have you had a chance toのような表現を使えば、相手を責めずに確認できます。
| 目的 | 直接的な表現 | 配慮した表現 |
|---|---|---|
| 操作を促す | Try restarting it. | You may want to restart it. |
| 方法を提案する | Try this option. | It may be helpful to use this option. |
| 確認を依頼する | Try checking the settings. | Could you check the settings? |
| 再対応を求める | Try again. | Could you please try it once more? |
挑戦と努力を表す類義語
続いては、挑戦と努力を表す類義語を確認していきます。
「挑戦する」という意味でtryを使うことはできますが、目標の規模や難易度によっては別の動詞のほうが正確です。特に自己紹介、面接、事業計画、プロジェクト説明では、言葉選びが意欲や専門性の印象にも関わります。
challengeを使う場面
challengeは、困難な目標にあえて取り組む意味で使われます。新市場への参入、未経験の分野への挑戦、売上目標の達成など、前向きな姿勢を示したいときに便利です。
ただし、challengeは名詞としての「課題」という意味もあります。文脈によっては困難そのものを指すため、動詞か名詞かを意識して使う必要があります。
We are ready to challenge the overseas market.
当社は海外市場への挑戦に取り組む準備ができています。
The project presents several challenges.
そのプロジェクトには複数の課題があります。
challengeは困難を承知で前に進む場面に適した、意欲の伝わる表現です。単なる試行ではなく、成果を目指す姿勢を示したいときに選びましょう。
take onとtackleを使う場面
take onは、新しい役割、責任、業務を引き受ける意味で使われます。新しい顧客を担当する、新規案件を受け持つといった実務的な状況に自然です。
tackleは、問題や難題に正面から取り組むニュアンスを持ちます。品質不良、顧客からの指摘、業務上のボトルネックなど、解決すべき対象が明確な場合に使いやすいでしょう。
We will tackle this issue immediately.という文は、当該問題に迅速に対応するという強い意思を伝えます。相手に安心感を与えたい場面でも役立つ表現です。
make an effortとdo our bestを使う場面
努力することを伝える場合、make an effort toは幅広く使えます。正式すぎず軽すぎないため、社内外のメールに取り入れやすい言い回しです。
do our best toは、誠意を示す定番表現です。ただし、具体的な納期や成果を約束する文脈で使うと、曖昧な返答と受け取られることがあります。
We will make every effort to complete the task by Friday.
金曜日までに作業を完了できるよう最大限努めます。
期限を示す場合は、努力の表現と具体的な予定を組み合わせると信頼感が高まります。
できることと不確定なことを分けて説明する姿勢も重要です。努力を伝える言葉は、具体的な対応内容とセットで使うと説得力が増します。
メールで使えるTryの言い換え例文
続いては、メールで使えるtryの言い換え例文を確認していきます。
ビジネスメールでは、tryを直接使うよりも、依頼、確認、提案、対応方針を分けて書くと読みやすくなります。特に海外の取引先とのやり取りでは、短くても曖昧さのない文章が求められます。
顧客への案内メール
操作方法を案内するメールでは、命令形を避け、相手が取り組める提案として示します。手順が複数ある場合は、一度に多くを求めすぎないことも大切です。
We recommend trying the following steps.は、以下の手順をお試しいただくことをおすすめしますという丁寧な案内です。recommendを使うことで、根拠のある提案という印象も加わります。
| 日本語の意図 | 英語例文 | 使う場面 |
|---|---|---|
| お試しください | We recommend trying the following steps. | サポート案内 |
| 再度ご確認ください | Could you please check it again? | 確認依頼 |
| 別の方法をご検討ください | We suggest considering an alternative approach. | 提案 |
| 解決策を検討します | We will explore possible solutions. | 一次回答 |
顧客向けの文章では、tryよりrecommend、suggest、could youを使うと案内が穏やかになります。
社内の進捗共有メール
社内では、何を試し、何を確認し、次に何をするのかを具体的に共有します。We tried to fix it.だけでは、対応内容や結果が分かりません。
We tested two approaches and found that the second option was more effective.のように、試行した方法と得られた結果を一文にまとめると、報告の質が上がります。
また、未完了の作業にはWe are currently exploring additional options.が使えます。断定を避けながら、次の対応を進めていることを伝えられる表現です。
取引先への調整メール
取引先との調整では、相手の要望を尊重しながら、実現可能性を確認する姿勢を示します。We will try to accommodate your request.は便利ですが、状況によっては少し曖昧に感じられることもあります。
より丁寧に伝えるなら、We will review your request and explore the available options.が適しています。要望を確認し、可能な選択肢を検討するという手順が明確になるためです。
We understand your request and will explore the best possible solution.
ご要望を承知しましたので、最善の解決策を検討いたします。
相手の要望を受け止めたうえで、対応を約束しすぎないバランスのよい表現です。
確約できない内容では、tryよりreviewやexploreを使うほうが誤解を防ぎやすいでしょう。
会議とプレゼンで伝わる表現
続いては、会議とプレゼンで伝わる表現を確認していきます。
会議では、tryを繰り返すと発言が漠然と聞こえることがあります。目的に応じて動詞を変えることで、提案の意図、検証方法、期待する結果が整理されます。
提案を出すときの表現
新しい案を提示するときは、We could exploreやI would suggestを使うと、押しつけになりにくい提案になります。I think we should try this.よりも、検討の余地を残せる点が特徴です。
We could explore a phased rollout.は、段階的な導入を検討できるという提案です。費用、リスク、利用者への影響を考慮する会議で使いやすい言い回しでしょう。
会議での提案は、試す対象だけでなく、期待する効果まで添えることが重要です。たとえば、to reduce operational riskのように目的を補うと、参加者が判断しやすくなります。
実験や検証の計画を示す表現
検証計画を説明する際は、test、evaluate、measureを組み合わせます。try aloneでは、何を基準に成否を判断するのかが見えにくくなります。
We propose testing the new workflow for one month and measuring the response time.と伝えれば、対象、期間、評価項目が明確です。実務での合意形成にもつながります。
| 伝えたい内容 | 使える動詞 | 補足するとよい情報 |
|---|---|---|
| 試験導入する | test、pilot | 対象部署、期間 |
| 効果を確認する | evaluate、measure | 評価指標、基準値 |
| 可能性を探る | explore | 候補案、判断時期 |
| 改善に取り組む | tackle、address | 課題、担当者 |
失敗や未達を説明する表現
試した結果が期待どおりでなかったときも、事実と次の行動を落ち着いて伝えることが大切です。We tried it, but it did not work.でも意味は通じますが、少し幼い印象を与える場合があります。
We tested the approach, but the results did not meet our expectations.とすれば、評価を行ったものの期待した結果には至らなかったと丁寧に説明できます。続けて、We will review the findings and consider alternatives.と書けば、次の行動も示せます。
失敗の報告では、原因の断定を急がず、検証結果と次の対応を分けて伝えることが信頼につながります。
日本語から英語へ置き換える判断基準
続いては、日本語から英語へ置き換える判断基準を確認していきます。
日本語の「試す」には幅広い意味があります。そのため、英訳するときはtryを先に当てはめるのではなく、行動の目的を日本語で整理すると失敗しにくくなります。
試す目的を見極める考え方
機能や品質を確認するならtest、選択肢を探るならexplore、難題に取り組むならtackle、相手に提案するならrecommendやsuggestが候補です。目的を一語で捉え直すと、自然な英語を選びやすくなります。
「新しいシステムを試す」は、動作確認ならtest the new system、導入可能性の検討ならexplore the new system、試験導入ならpilot the new systemと変わります。日本語が同じでも、業務上の目的が違えば英語も変える必要があります。
相手との距離に合わせる考え方
同僚との会話ならLet us try it.のような簡潔な表現でも問題ありません。社外の相手、顧客、役職者に向けるなら、Could you、Would you be able to、We would appreciate it ifを使うと安心です。
ただし、丁寧な表現を重ねすぎると文章が長くなり、要点が埋もれてしまいます。相手への配慮と、依頼内容の明確さを両立させることが大切でしょう。
確約を避ける考え方
対応可否が未定の段階でWe will try toは便利ですが、相手が完了を期待してしまう可能性があります。検討段階ならreview、assess、exploreを使い、判断後に具体的な回答をする流れが自然です。
たとえば、We will assess the feasibility and get back to you by Tuesday.と書けば、実現可能性を確認し、火曜日までに回答することが伝わります。できることを約束するのではなく、いつ何を確認するかを約束する方法は、多くのビジネス場面で有効です。
まとめ
tryの言い換えは、単語を難しくするための工夫ではありません。試行、検証、挑戦、依頼、提案のどれに当たるかを明確にし、相手や状況に合う表現を選ぶための方法です。
検証にはtest、可能性の検討にはexplore、難題への対応にはtackle、丁寧な依頼にはCould youやWould you be able toが役立ちます。tryを一律に使わず、行動の目的を言葉にすることが、自然で信頼されるビジネス英語への近道です。
メールや会議では、何を試すのか、なぜ行うのか、次にどうするのかまで伝えると、相手は状況を理解しやすくなります。今回の例文を参考に、日々の業務に合う表現から少しずつ取り入れてみてください。